2016年05月14日

第14話「支部列伝その5 東京支部〜since1996~」

1995年、沖縄を代表するまつりの一つ「那覇大綱挽」に祭り太鼓が出演せていただいた時のことです。大綱を引き合う直前のセレモニーの中での出演を与えられた私達は、身の引き締まる思いでした。その時演じた私達の「ミルクムナリ」を食い入るように見つめ続ける青年がいました。後に東京支部を立ち上げた水野順一郎氏でした。彼は安里の旗頭に所属しており、当時県外に在住していたにもかかわらずこの那覇大綱挽には必ず沖縄に戻り旗頭を舞い踊らせていました。彼らが勇壮に舞い躍らす旗頭は五穀豊穣を祝し「神の降り立つはしご」とも言われており、奇しくも私達が打ち響かせたミルクムナリは「神の踊り」でした。

水野氏によって東京支部が結成された時、修学旅行で沖縄に訪れた際に祭り太鼓を体験した高校生の何人かが東京支部に入会しました。そして何より水野氏をはじめ東京支部のメンバーの熱い心意気が東京での出演の機会をどんどん増やしていきました。ある時、東京支部のメンバーが福岡支部の応援で博多どんたくの出演にかけつけた事がありました。彼らは一人でも多くのメンバーを博多どんたくに参加させるため、マイクロバスを知人から借り、東京から福岡まで来たというのです。東京にはエイサーに誇りを持ち、多くの人に感動を与えたいと思っているエイサー団体もたくさんあります。エイサーを愛する多くの人の心、そしてこのようなエネルギッシュな東京支部メンバーの活動が沖縄のエイサーを「新宿エイサーまつり」へと導き、実現させたのかもしれません。
posted by ryukyukoku at 14:17| 第1話〜