いつも身近に見ている琉球國祭り太鼓だが、時々大きな感動に巡りあう事がある。
たしか2年程前だったと思うが、祭り太鼓佐賀支部の公演に行ったときの話である。私を空港まで迎えに来てくれた佐賀支部の女子メンバーに、九州で行われたある公演での印象深いエピソードを話した。
「舞台上では、約20名ほどのメンバーが演舞をしていたのだが、その舞台袖で赤のカラフル衣装で一生懸命に演舞する女子メンバーがいた。当然照明も当たらず顔も見えないほどの暗く、観客からも見えない場所で、彼女は一生懸命演技をしていた。私は舞台袖で踊るそのたった一人の演舞に引き込まれていった。」と話すと、彼女はにっこり笑って私にこう言った。
「あのとき舞台袖で踊っていたのは私です。」
私はその言葉にただ驚き、彼女との邂逅に感動を覚えた。