2012年02月24日

第3話「ミルクムナリ」

 沖縄の生んだ天才アーティスト“日出克”、彼の代表曲にもなっている「ミルクムナリ」は、弥勒菩薩のミルクとバリ島の「舞」を表すムナリを一つにしたものです。この「ミルクムナリ」との出会いは、まだこの曲がCDとして発売される前、当時RBCビジョンに勤務していた山田光夫氏がCMに使われていたミルクムナリを聴き、いち早く手に入れ祭り太鼓に持ってきたことから始まりました。

 「ミルクムナリ」の振り付けは、琉球國祭り太鼓迎恩館館長である目取真邦男が担当しました。振り付けした場所は、神々の島とも言い伝えられた伊平屋島でした。伊平屋まつりのイベントに参加するため島を訪れていた祭り太鼓のメンバー達は、ある宿泊先に滞在していました。朝焼けの太陽が暖かい明りとなって昇るころのことでした。琉球古代の抒情詩(おもろそうし)に書かれた「天とよむ大主あけもどろの花のさいわたり」とうたわれた太陽の雄雄しさが伊平屋島の海原を赤く染め、その神秘の輝きで優しく包み込む中、目取真は砂浜でミルクムナリの振り付けに取り組んでいました。ひと足ひと足めり込む砂地、大地に言葉を書きしたためるように演技ができていったのです。その後、宿泊先で寝入っていたメンバーたちを迎恩館館長の目取真邦男は「できた!できた!」と起こし、早速振付けた「ミルクムナリ」の演舞を教えました。祭り太鼓を代表する演舞曲「ミルクムナリ」は合掌礼から始まります。不思議なことに曲がかかり合掌礼が始まると見ている観客から拍手が起きることがあります。合掌は多くの国々で祈りや儀式などに取り入れられてきたからでしょう。

 「ミルクムナリ」の最初のお披露目は祭り太鼓が一番大事にしているイベント「沖縄全島エイサーまつり」でした。幻想的な曲に生命の力強さをうち響かせるエイサー太鼓の音。演舞が終わると観客が私たちを取り巻くように駆け寄ってきました。当時CMで大反響を呼んだ「ミルクムナリ」の全島エイサーまつりでの初演舞は、見る人そして演舞するメンバーも身震いするほどの大きな感動に包まれました。


「『どんな人でも、どんな人生を歩んできた人でも』ミルクムナリを演舞するときは目の前の人に礼をしなければいけない」

ミルクムナリを振り付けした迎恩館館長、目取真邦男の言葉です。
posted by ryukyukoku at 14:09| 第1話〜